伊藤絵美 (著)
なんというか、予測を遥かに上回ってすごい本だった。とても面白い。ここで面白いというのは英語ではinterestingで大いに真面目な興味を意味する。と同時に読むことがfunでもあった、
本の終わりが近づくと、あ、もう終わりが近いと残念な気持ちにもなった。
伊藤先生の著書はかなり読んでいると思うので、概要を自分なりに予測していたのだけど、良い意味で予測と違うところが多かった。
ネタバレもなんだしあまり詳細は書かないけど、自分には後半が特に刺さった。
こういう自己開示を含んだ文章を読むときいは、いつも自分と対比させて読む癖があるんだけど、育った環境とか、学校適応は随分違うと思った。著者はなんとなく学校嫌いじゃないかと思っていたので、学校が大好きだったというのは意外だった。
ちなみに自分にとっては学校はずっと嫌いな場所だった。
こういう特性とか育ちとかが、専門分野や支援方法の選択にも関係してくるのだろうとか色々複雑は感想をもった。
読んでいると様々な子ども時代のエピソードは抱腹絶倒したり冷や汗かいたり、ニンマリしたりと思うと、痛くなったりと自分の情動が色々動きすぎて忙しい。
読書でこういう体験は最近では珍しい。
読みすすめると認知再構成法とかスキーマ療法などこれまで自分なりに勉強してきたことで、いまいち実感がわかなかった部分が、腑に落ちたというかしっくりくるという不思議な体験もした。
専門書や教科書で勉強するのも大事だけど、こういう先駆者のちょっとプライベートな語りから、知識が実感に変わるのかもしれない。
自分の実感が正しいかどうかは、これからも検討しないといけないけど。
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